下村前文科省大臣の関連団体の疑惑

届け出住所に存在せず 下村文科相 関連団体の事務所 家賃支出の記載なし

しんぶん赤旗より

届け出住所に存在せず/下村文科相 関連団体の事務所/家賃支出の記載なし

 下村博文文科相の政党支部に毎年、多額の寄付をする下村氏の関連政治団体「博友会」が、雑居ビルに住所を置きながら家賃を払っていないなど不可解な実態が20日、都選管が発表した2013年分の政治資金収支報告書と本紙の調べでわかりました。こうした「博友会」の活動実態は、政治資金規正法違反の疑いがあります。


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(写真)博友会の事務所があるとされる中野区の雑居ビル(画像は一部修正)

規正法違反の疑い

 下村氏の政策秘書が会計責任者を務める「博友会」は、JR中野駅そばの雑居ビル4階を「主たる事務所の所在地」として東京都選挙管理委員会に届け出ています。本紙が、このビルを訪ねると4階には、下村氏が代表を務める政党支部「自民党東京都第11選挙区支部」に12万円(13年)の寄付をしている学習塾運営会社と、関連会社が入居し、「博友会」の事務所は確認できませんでした。

 学習塾運営会社は、本紙の取材に「4階フロアはすべて、こちらで占有しています。博友会に事務所を貸したことはない」といいます。

 博友会の政治資金収支報告書にも、家賃の支出がありません。

 さらに、博友会の電話は、東京都板橋区にある「第11選挙区支部」や下村氏の資金管理団体「博文会」と同じ番号です。

 博友会のこうした不可解な実態は、政治資金規正法違反の疑いから免れません。

 仮に、事務所を塾運営会社内に置いているとすれば、事務所の無償提供として政治資金規正法の寄付に相当します。同法では、政党支部以外への企業からの寄付は禁じられており、違反にあたります。

 事務所もないのに、この雑居ビルを「事務所」として届け出ていた場合は、虚偽記載となり、同法違反の疑いがあります。

 下村氏の事務所からは回答がありませんでした。

 

下村博文文科相の「金の疑惑」相次ぐ 板橋区選出の下村氏、権力で政治資金を集める?

The Liberty Webより


下村博文文科相の「金の疑惑」相次ぐ 板橋区選出の下村氏、権力で政治資金を集める? | ザ・リバティweb

20日に公表された政治資金報告書によると、下村博文文部科学大臣が代表を務める自民党東京都第11選挙区支部(板橋区)が、文科省から補助金を交付した2つの学校法人から計10万8千円の献金を受けたことが判明した。5月に提出した同報告書に記載されていた。11月20日付朝日新聞(夕刊)が報じた。

 

寄付者名を代表者個人に修正した下村氏の事務所は、同紙の取材に対し「個人の寄付を、その方の肩書きである法人の寄付と誤解していた」と話し、違法行為に当たらないと説明。しかし、政治資金規正法では、国から補助金を受け取った団体から、1年以内の政治献金を禁止している。神戸学院大学の上脇博之教授は、「補助金を受けた学校法人が一時的にでも献金を負担すること自体、違法性が高い」と同紙で述べている。

 

これは、政治資金規正法の抜け道を使った違法行為である疑いが強い。10万円程度の少額とはいえ、法令遵守の意識が低いと言わざるを得ない。

実際、下村氏に対する疑惑はこれだけではない。先月発刊された週刊誌「フライデー」は、下村氏本人が資金集めに勤しむ様子を掲載した。

 

記事は、9月27日、下村氏の後援団体「東北博友会」が仙台市の一流ホテルで開いた講演会の様子で、下村氏が約20分間の講演を行ったもの。これに先立つ8月末、医学部開設を申請していた東北薬科大学が、医学部としては37年ぶりに認可され、会場には、教育・医療関係者らが集まった。もちろん、同大の理事長の姿もあり、挨拶を終えた下村氏に頭を下げ、握手を求めた。会費1万円を徴収した講演会は、医学部新設を祝う集会のようなものだったという。

 

日本大学の岩井奉信教授は、同記事の中で、「参加する側としては、パーティ券を買うのと同じ気持ちですよね。(中略)文部科学大臣という許認可権を持っている人ですから、当然、大学関係者は買うでしょうね」と述べ、下村氏の講演会に批判的な見方を示した。

 

スキャンダルと言えば、先日、小渕優子松島みどり両大臣が辞職し、国会が空転した騒ぎがあった。しかし、与党を批判すべき野党側は、選挙戦に突入したことで、下村氏を追及する余裕はない。冒頭の報告書の修正も、そのごたごたに乗じてうやむやにしようとした感が否めない。許認可権を持つ立場を露骨に利用する人物が、果たして大臣に相応しいのか。

 

疑惑がつきまとう下村氏は、当然、説明責任を果たすべきだ。人の道を教える教育に携わる人間であればこそ、である。(山本慧)